☆フトアゴの餌いろいろ
フトアゴヒゲトカゲの飼育において餌は大きなウエイトを占めるといえます。当然、餌によって成長や健康が左右されるし、生命そのものに直結するといっても過言ではありません。
また、餌やりは日常の世話の大部分となると同時に、飼育する上での最大の楽しみだともいえます。 与えた餌をバクバク食べている姿は本当に気持ち良く、飼育者をしっかり癒してくれる事でしょう^^
よく、餌となる昆虫飼育の方が手間がかかるといわれていますが、確かに餌昆虫をストックするには結構な労力がかかります。餌昆虫の飼育も同時に楽しめるくらいの気持ちで向かうと精神的に楽なのですが^^;
大切な生体に与える餌ですから、栄養価や質にできるだけこだわって、たくさんの種類を与えるのが良いといわれています。
フトアゴヒゲトカゲは雑食性という事で色々な餌がありますが、消化の事を考えるとできれば午前中、少なくても消灯する90分〜2時間以上前には与えるようにします。
☆自然採取の餌
たまに家の近くで自然採取された餌をガンガン与えている話を聞きます。
バッタ、セミ、トンボ、コオロギ、ダンゴ虫・・・フトアゴはみんな喜んで食べるようです。
栄養素を偏らせないためにも多くの種類の餌を食べさせる事は良い事なのですが、これには生体にとっての危険性もはらんでいます。
家の周りにいる昆虫等は農薬で汚染されていたり、フトアゴにとって未耐性の寄生虫や細菌を持っている可能性は否定できません。
採取してきたものは餌ではなく種親として利用し、清潔な環境で完全養殖されたの子供だけを与える事を推奨している意見もあります。
やはり市販されてる餌の様にそれなりの環境で養殖されたものの方がリスクは低いのでしょう。
もちろん自然採取された昆虫等を与える事を完全否定するわけではありません。
状況によっては必要となってくる場合もあると思いますので、あくまでもリスクを承知した上で飼育者が判断されれば良いと思います。
危険性を書かずに自然採取した餌を与える事を煽るようなHPをたまに見ますので^^;
☆給餌頻度と餌の量
給餌頻度は成長に伴い変わりますが、アダルトになるまでは1日1回与えるというのが基本になります。
餌の量については個体差が大きく、なかなか標準的な量というのは難しく、飼育しながら適量を探っていくという感じでしょうか。
生後1ヶ月未満のベビーには小さ目のコオロギを食べるだけ与えます。食べるだけといっても最初は2、3匹で1ヶ月が近くなれば10匹程度でしょうか。
特に生後まもなくの個体は一度にたくさん食べることができないようですので、1日2回以上に分けて与える方が良いという話もあります。 また、コオロギのサイズが大きいと怖がって食べなかったり、逃げ出してしまうことがありますので注意が必要です。
幼体時には動物食傾向が強いのでコオロギ等の動物性の餌を毎日食べるだけ与えます。ただ、食べるだけとはいっても当然限度はありますので、様子を見ながら適当にセーブします。 ミルワーム等は吐き戻しや消化不良の原因となりやすいので、あまりたくさんは与えない方が良いと思います。
週1回程度マウスを与えて成長を促進させるのも良いかもしれません。
小さい時から少しずつ植物性の物も与えた方が良いですが、食べなくても気にする必要はありません。
30p程度になれば様子を見ながら週に1回位餌を抜いてみるのも消化器官を休ませる事ができて良いなんていう話もあります。
40pを越えるようになれば2、3日に1度程度で良いようです。
傾向としては成長に伴い食餌頻度と動物性の餌が減り、アダルトになると植物性がメインとなり、おやつにコオロギという感じになるようです。
ただし、アダルトになっても野菜系を食べず、コオロギしか食べないなんていう個体もいますが、与え過ぎによる肥満さえ気をつければ、特に問題はないような気がしますがどうなんでしょう?
☆餌の種類
○動物性
一般に昆虫類は、栄養価はまずまずなのですが、骨がないためカルシウムの含有量が低く、リンが多量であるといわれ、カルシウムとリンの比率が悪いようですので、必ず市販のカルシウムをダストして補う必要があります。
たまに食べ過ぎて吐き戻す個体もいますが、継続性がなく、特に変わった様子がなければ心配はないようです。
| 品名 | カルシウム | 水分 | ミネラル分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 |
| コオロギ | 21.53mg | 68.96g | 1.52g | 20.72g | 5.74g | 3.06g |
| ミルワーム | 3.28mg | 62.89g | 1.20g | 18.65g | 13.64g | 3.62g |
| Jミルワーム | 10.80mg | 58.91g | 1.29g | 18.92g | 15.07g | 5.81g |
| ハニーワーム | 13.14mg | 60.97g | 0.97g | 15.40g | 20.12g | 2.54g |
| マウス(ファジー) | 268mg | 81.8g | ? | 8.0g | 5.5g | 1.5g |
| ウズラ(成鳥) | 1187mg | 65.4g | ? | 24.7g | 11.0g | 3.4g |
- コオロギ
餌として一般に流通しているコオロギにはヨーロッパイエコオロギ(イエコ)とフタホシコオロギ(フタホシ)があります。
イエコはフタホシに比べて、体が一回り小さく、寒さと乾燥に強く共食いが少ないといわれています。ただし、キープしやすい反面、動きが速く、ジャンプ力が強いため、多少扱いづらい面もあります。鳴き声はフタホシに比べて耳障りは多少良いようですが、やはりうるさいです。
フタホシはイエコに比べて、水切れに弱く、広い空間を必要とするため、キープしていると共食いすることが多く、蒸れにより全滅する場合もあります。また、鳴き声がうるさく、多少臭いもきついように思います。
ただし、動きが俊敏でないため扱いやすいです。イエコに比べてボリュームがあるので、アダルト個体等に良いかもしれません。
コオロギを与える場合は入れっぱなしにしないようにします。夜中に大事な生体を囓ったり、生体にストレスを与える場合があるからです。
また、大きめのコオロギは後ろ足を取ってから与える事をおすすめします。動きが緩やかになって生体が食べやすくなります。それに、コオロギの後ろ足は堅く、ほとんど消化されない上、消化器官や排泄口付近を傷つけたり、脱腸の原因となる場合もごく希にあるようです。
コオロギは自家繁殖が割と簡単で、温度と湿度、餌に気をつければ増やす事が可能です。
- ミルワーム
体長2〜3pくらいのチャイロコメノゴミムシダマシという甲虫の幼虫です。
ミルワームはストックが簡単であり、クネクネした動きが食欲を誘い、食いつきが良いということで多くの方が使用されています。
コオロギに比べて、タンパク質とミネラル分がやや少なく、脂肪分がやや多いという事で栄養バランスがあまり良くないといわれています。
消化も多少しづらいため、多めに食べると吐き戻しや消化不良の原因となる場合もあります。
- ジャイアントミルワーム
ロイヤルミルワーム、ジャンボミルワーム、スーパーミルワーム、ジャイアントワーム、スーパーワーム等たくさんの呼び名を持つ、ゴミムシダマシ科ツヤケシオオゴミムシダマシの幼虫です。
ミルワームに比べて体が大きく、通常4〜5p、大きなものでは6〜7pになるものもいるようです。
ミルワームよりも栄養バランスが良いといわれているようですが、実際にはあまり変わらないような気がします。多少カルシウムは多いかもしれませんが・・・。
あごの力(噛みつく力)が強いので、丸飲みするような種に与える場合はあごを潰してから与えた方が良いなんて話もあります。
- ハニーワーム(ブドウムシ)
最大2.5pくらいのハチノスツヅリガという蛾の幼虫です。
見た目が柔らかそうで動きもクネクネしている事から、かなり食いつきは良いようで、特に拒食気味の時に力を発揮するといわれています。
また、ハチミツを食べているため高脂肪で、体力の落ちた個体や産後の個体の滋養には最適ともいわれています。
ただし、消化器系が弱った個体にとっては、皮が少し消化しづらく高脂肪な事が負担となり、吐き戻しや消化不良となることもあるようです。
ハニーワームはツヅリガ(綴蛾)という名が示すように、周囲にあるものを体のまわりに綴って巣を作ります。この巣から取り出すのは結構面倒くさく、扱いが簡単とはいえません。
自家繁殖も可能なようですが、かなり手間がかかるため簡単にはいかないようです。
釣り餌店でも「ぶどうむし」(本来の「ぶどうむし」は「ブドウスカシバ」という蛾の幼虫ですが。)の名で売られていますが、釣り餌用に流通しているものには、成長抑制のホルモン処理され、餌に抗生物質や防腐剤を混ぜ込まれているといわれていますので注意が必要かもしれません。
- デュビア
学名をBlaptica dubiaそして英名を「アルゼンチンフォレストローチ」といい、中南米の森林に生息する4〜5p程度の大きさのいわゆるゴキブリです。
成虫の♂には羽があり見た目もそこら辺のゴキブリとあまり見分けがつきません。♀には羽がなくツヤツヤした感じと少し茶色っぽい色で、見方によっては美しいと感じる事ができるかもしれません^^;
餌としての嗜好性が高い、栄養バランスが悪くない、飼育や扱いが簡単(動きが思ったほど速くない。ツルツルした面は登れない。全く鳴かない。臭いが少ない。乾燥に結構強い。)という事から、「新世代の餌昆虫」とか「最強の餌昆虫」などと呼ばれていました。
実際には成長が緩やかであるため、メインの餌として使用するにはかなり大規模に飼育する必要があります。見た目さえ我慢できるのであれば、補助的あるいは拒食時用の餌としてはかなり有効だと考えます。
- マウス
マウスは栄養バランスが良く総合栄養食といわれていますが、与え過ぎは肥満につながり、また、消化も少し悪いようです。
大きさによってピンク、ファジー、ホッパー、アダルト、リタイヤ等と呼び名が変わります。
通常は冷凍してあるため冷凍庫での保管が必要となり、与える時は完全に解凍してから与えます。解凍が不完全だと吐き戻しや消化不良を起こす場合があるので注意が必要です。 マウスをミンチにして詰めて冷凍ソーセージにしたレップミールという製品もあるようです。
- ダンゴムシ、ワラジムシ
ダンゴムシやワラジムシは昆虫ではなく、エビやカニと同じ甲殻類です。
甲殻類は昆虫類に比べカルシウムが多いといわれており、サイズが小さい生体に対しては良い餌かもしれません。
自家繁殖も可能なようですが、増え方は緩やかなようです。
○植物性
植物の餌としてはチンゲンサイ、小松菜、モロヘイヤ、カボチャ、にんじん、タンポポ、桑の葉等が良いようです。
果物(バナナ、ミカン、葡萄等)も食べますが糖分が多いため、たまにおやつ程度に与えるのが良いようです。
ホウレン草にはシュウ酸が多く含まれていてカルシウム吸収を阻害するといわれてますし、キャベツやブロッコリーにはゴイトロゲン(甲状腺腫誘発物質)が多く含まれているので常用はやめた方が良いかもしれません。(たまになら問題ないと思いますが^^;)
タマネギ、ネギ、ニンニクなどは与えない方が無難なようです。
| 品名 | カルシウム | リン | 水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 |
| チンゲンサイ | 100mg | 27mg | 96.0g | 0.6g | 0.1g | 2.0g |
| 小松菜 | 170mg | 45mg | 94.1g | 1.5g | 0.2g | 2.4g |
| モロヘイヤ | 170mg | 53mg | 91.3g | 3.0g | 0.4g | 4.0g |
| ルッコラ | 170mg | 40mg | 92.7g | 1.9g | 0.4g | 3.1g |
| 大根の葉 | 170mg | 43mg | 92.6g | 2.0g | 0.2g | 3.3g |
| カブの葉 | 250mg | 42mg | 92.3g | 2.3g | 0.1g | 3.9g |
| 春菊 | 120mg | 44mg | 91.8g | 2.3g | 0.3g | 3.9g |
| タアサイ | 120mg | 46mg | 94.3g | 1.3g | 0.2g | 2.2g |
| サラダ菜 | 56mg | 49mg | 94.9g | 1.7g | 0.2g | 2.2g |
| ニンジン | 27mg | 24mg | 89.6g | 0.6g | 0.1g | 9.0g |
| カボチャ | 20mg | 42mg | 86.7g | 1.6g | 0.1g | 10.9g |
| リンゴ | 3mg | 10mg | 84.9g | 0.2g | 0.1g | 14.6g |
| バナナ | 6mg | 27mg | 75.4g | 1.1g | 0.2g | 22.5g |
| みかん | 21mg | 15mg | 86.9g | 0.7g | 0.1g | 12.0g |
○その他
人工フード
人工フードは栄養バランスに優れているようですが、嗜好性はあまり良くありません。
多くのフードは水でふやかしてから与えるように説明されてますが、フトアゴは舌にものをくっつけて食べます。水でふやかされたフードは舌にくっつきにくいため、すぐにあきらめてしまう場合が多いように思います。
スプーン等で口先まで持っていってやると良いかもしれませんね。
何か良い方法があればもっと食べてくれるような気がするのですが^^;
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