☆トラブル

フトアゴヒゲトカゲは元々丈夫な種であり、病気やトラブルの多くは飼育環境や飼育方法によるものといわれています。丈夫であるが故に症状が出た場合はかなり悪いとも考えなければなりません。

病気やトラブルを引き起こしたら、必ず飼育環境や飼育方法を再確認するとともに、状況に応じて速やかに病院へ連れて行く必要があります。

ここで紹介しているのはほんの一例ですし正しいとも限りません。あくまでも参考ということで…責任取れませんので^^;

☆消化不良

環境温度が低かったり、食べたあとすぐに温度が下がった場合や大きめの餌を食べ過ぎた場合など吐き戻しや消化不良となることがあります。

食後の温度が低かったりすると代謝機能が働かず、食べたものが上手く消化できないため食欲が低下し、シャックリやゲップをしたりします。

これが少しひどくなると、床にベチャッと伏せて目を閉じたまま動かなくなり、最悪、食べたものが長期間消化管内に停滞することによって、腸管が癒着したり消化管の炎症や部分的な腸の壊死などに進行する可能性もあります。

普段から、ケージ内を適正な温度に保ち、餌を与えてから消灯までの時間を長めにとる等の予防に心掛ける事が大切だと思います。

軽度の消化不良は水分を補給し、環境温度を少し上げたり温浴する事によって代謝機能が回復する場合があります。

☆食欲不振・拒食

フトアゴについてはどちらかといえば拒食しにくい爬虫類といえると思います。適切な飼育をしておけば拒食とまでなるケースは少ないのではないでしょうか。

ただし、全くしないって事ではありません。特に拒食とまではいかなくても食欲不振となることは結構あります。何もしなくても2、3日で回復する場合もありますし、そのまま拒食におちいり衰弱してしまう場合もあります。

これらの原因は様々で、原因についてある程度推測しながらしか手の打ちようがなく、なかなかすぐに効果が出てこない場合も多いので、できるだけ予防に努めるのが一番なのかもしれません。


食欲不振・拒食の原因の一つにストレスによるものがあります。

特に導入直後は環境や餌の違い、生活リズムの崩れ、飼育者の触り過ぎがストレスになり、餌を食べなくなるケースがあります。

これは温度や明るさ、光周期を再確認してなるべく落ち着く環境を作ってやることで、ある程度対応できると思います。また、餌の種類を変えたり、大きさを変えたら食べてくれたなんて事もあるようです。


複数飼育の場合は個体間の序列争いや縄張り争いが原因でストレスとなる場合があります。特に、体長に差があると体の小さい方が追いかけ回されたり、シェルター等に隠れがちだったり、餌を遠慮するみたいな感じになり、成長が止まってしうこともあるようです。

個体間でのストレスによる行動や食餌量の減少を感じたら、早めに個別飼育に移行した方が良いと思います。


ビタミンB1(チアミン)が不足することによって食欲不振やの麻痺(四肢や尾の)による運動失調を起こす場合もあるようですので、バランス良く餌を与える事に心掛けるとともに、餌食いが悪くなったら餌の種類を変えてみるって事が良いと思います。


気温が下がる冬場になると食欲が落ちる場合もあります。

たとえケージ内の温度が下がっていなくても、自然に季節を感知できるようで、なかなか予防や対処がありません。他に原因が考えられない場合は季節による食欲低下かもしれません。

特に雄は冬場によく発情するようで、発情した雄はほとんど餌を食べなくなることもあります。

一般に多くの爬虫類は一旦温度が下がり、それが徐々に上がると発情するといわれていていますが、フトアゴに関しては夜間温度が下がるだけで発情するように思えるのは気のせいでしょうか^^;

☆外傷・火傷

複数飼育の場合、餌の取り合いや縄張り争い、序列争い等により同居の個体同士により噛み合いが起こることがあります。時には激しくやり合って、手足や尻尾の付け根に出血を伴う外傷を受けることもあります。

時には入れっぱなしにしたコオロギがお腹を空かせ、夜中に囓るなんて事もあります。

特に四肢や尻尾等は傷や物に挟まれる等して血流が止まるとそこから先が壊死しやすいため、コオロギに囓られた事が原因で尻尾がほとんど脱落してしまうなんて事もありますので注意が必要です。

また、バスキングライトや保温球などに接して火傷を負うこともあります。設置の際に十分届かない所に設置するか火傷防止のカバーを付けます。

外傷や火傷を負った場合は、患部をまず確認し傷が深かったり範囲が広い場合はすぐに病院を考えた方がよいと思います。

小さな傷程度であれば患部をよく消毒して様子を見ます。特に火傷の場合、一番怖いのは火傷そのものよりも感染症の方です。傷口が化膿した場合は抗生物質療法が必要になりますのですぐに病院へ連れて行った方がよいと思います。

☆クル病(代謝性骨疾患)

血液中のカルシウム濃度は常に一定に保たれています。カルシウムの摂取量が少なかったり、カルシウム吸収に必要なビタミンD3の欠乏によりカルシウム吸収量が減少すると、骨などに蓄えられてたカルシウムが血液中に放出されます。

それが続くと、骨がスカスカとなり骨格の変形から恒久的な歩行障害へと進展するクル病が現れます。

特に、十分なカルシウム吸収が必要な成長期においてよく発症するようです。

たまに、カルシウムをしっかり与えていたにも関わらずクル病になったという話を聞きますが、これはビタミンD3の不足が原因の一つのようです。

ビタミンD3は紫外線を浴びる事により体内で生成されますので、屋外で適度に日照を受けることのできる場合は、食事からのビタミンD3摂取が不足してもビタミンD3欠乏症はほとんど起こりません。

しかし、屋内飼育においては、十分な日照が得られず、ビタミンD3の生成不足により欠乏症が起こる場合があります。そのため紫外線灯の設置が必要となりますが、太陽光の代わりとなる紫外線灯はありません。

紫外線灯を設置していてもできるだけ日光浴させるとともに、適量のビタミンD3を餌と一緒に摂取させる事が必要だと思います。また、紫外線灯は古くなると紫外線放射量が落ちますので、明かりが点いていても交換の必要がありますので注意してください。

クル病も初期の段階だと食事へのカルシウム補充とともに、十分紫外線にあてる事によって症状が改善されるようです。

☆脱皮不全

フトアゴは脱皮をしながら成長します。特に体がどんどん大きくなる時期には頻繁に脱皮を繰り返します。

通常は脱皮すると全身あるいは部分的にパリパリになった皮がボロボロはがれ落ちますが、たまに皮が剥がれずに残る脱皮不全となることがあります。

特に指先や尻尾の先が脱皮不全を起こした場合、残った皮が締めつけて虚血性の壊死を引き起こし、指先や尻尾の先が脱落してしまう事もあります。

脱皮不全は湿度不足が原因といわれてますが、体調不良が重なった時になりやすい気がします。

脱皮の前兆で体の色がくすんできたら、霧吹きや温浴・水浴で湿度が保てるように気をつけるとともに、もし、指先などに皮が残った場合には水で十分にふやかしてから堅くなる前に取ってやると良いようです。

☆熱中症

夏の炎天下に、換気不十分な水槽内に閉じ込めた状態で、長時間日光浴をさせた場合などに熱中症(日射病)を起こす事があります。

発症すると口を開けて呼吸したり、口や鼻から泡を吹き出すこともあるようです。ひどい場合には中枢神経の麻痺や大脳皮質の浮腫などを起こし、命の危険さえもあります。

熱中症を発症した場合には速やかに体温を下げることを考えて、涼しい場所に移し、全身に冷水をかけたり、濡らしたタオルなどで全身をくるんで冷やすことが必要です。

屋外やベランダ等で日光浴する場合は必ず日陰を作るとともに、夏には特に目を離さないようにすべきと思います。

☆痙攣

まれに突然四肢を痙攣させ、ひどい時にはそのまま息を引き取る場合もあるようです。

痙攣を起こす原因ははっきりと分かりませんが、一つには低カルシウム血症があるといわれています。

通常、血中カルシウム濃度は厳密にコントロールされており、腸からの吸収、腎臓からの排泄、骨からの放出、骨形成などによりバランスが取られています。

このバランスが崩れ、血液中のカルシウム量が減少すると低カルシウム血症の症状が現れます。

低カルシウム血症では、末梢神経の興奮性の高まりによる筋肉の持続的な硬直によるしびれ、痙攣、嘔吐、嗜眠状態などの症状が現れるようです。

低カルシウム血症の原因としてはカルシウムの摂取量の不足やビタミンD3の欠乏のほかに副甲状腺ホルモンの異常、マグネシウムなどミネラルの不足、腎臓の機能障害、膵炎などがあるといわれています。

☆細菌等感染症

様々な細菌、真菌、ウィルスに感染する例があるようです。

皮膚炎、皮膚膿瘍、胃腸炎等の症状があるようですが、不適切な環境や餌によって細菌を増殖させ、同時にトカゲの免疫力が低下することにより二次感染してさらに病状が悪化するなんてこともあるようです。

特に母子感染もあるアデノウイルス感染症は目を閉じてあまり動かなくなると同時に、食欲がなくなって痩せていく症状を示し、幼体の場合は極度の成長不良や死亡する事もあるようですが、効果的な治療法はまだありません。

すべての感染症において健康な個体とは隔離する必要があったり、外科的処置や抗生物質を投与の必要もありますので、病院での治療が必須です。


☆寄生虫感染症

野生の爬虫類には寄生虫はつきものであり、CB個体といっても寄生虫と無縁というわけになりません。

不適切な温度、湿度、光線、餌、あるいは不適切な飼育面積や併発症のようなストレスが重なって、平常の宿主と寄生虫との関係を壊し、その結果活動減退や体重減少、食欲不振などを起こし、場合によっては死に至ることもあります。

○外部寄生虫

トカゲの眼や外耳の周囲、四肢や尾の付け根などにダニが寄生することがあります。ダニを確認したらまずケージ内のすべてに処置が必要です。

床材はすべて交換しケージ、シェルター、水入れなどの消毒を何回も繰り返す必要があります。生体についてるダニは一匹ずつピンセットで取り除いたり、温浴をして体から離す、オリーブオイルを塗布して窒息させるなどして駆除するようですが、一度や二度ではとてもすべて駆除できないようです。

また、ダニ用の飲み薬もあるようですし、殺虫プレート「バポナ」を使った薬物による駆除方法もあります。

バポナはフィルムケースなどに穴を開け、その中に入れて吊すだけのようですが、有効成分のジクロルボス(DDVP・有機リン系殺虫剤)はかなり強力な効果をもたらす反面、神経毒性や発がん性が生体に対しても影響を与え、最悪死に至らせる事もあるようです。

人体に対しても危険性があるようなので使用は避けた方が良いのかもしれません。

○内部寄生虫

野生の爬虫類はほとんど寄生虫を持っているけれど、CB個体は大丈夫と良く言われますがそんなことはありません。CBしか流通していないフトアゴですが、ギョウ虫やコクシジウムなどの消化管内寄生虫を持ってる例が結構あります。

特に大がかりな海外のファームで育てられたCB個体には確立が高いようで、特にコクシジウムにいたってはかなりのファームに蔓延していてお手上げ状態だといわれています。



一般に寄生虫は宿主を殺してしまっては自分も死ぬ事になるため、寄生虫による寄生虫病は症状が穏やかといわれていますが、生体が体調を崩した時などには食欲不振、軟便、下痢に始まり腸が詰まるなんて事もあり、最悪死に繋がる場合もあるようです。

寄生虫には糞の中に目で見えるものから顕微鏡でないと確認できないものもありますので、病院に糞を持ち込み検査をしてもらう必要があります。

駆虫薬も種類によって違いますので、病院で処方してもらう必要があります。